ホワイト職場すぎて離職?

1.ホワイト職場で離職とは?

ブラック企業という言葉が浸透している世の中で、逆にホワイト職場にしようと意識しすぎて離職する事例が目立ってきているのをご存じでしょうか?

ネットで「ホワイト職場 離職」などと検索をすると記事がいっぱいでてきます。私はこの理由がわかる気がします。

昔、仕事がものすごくヒマな時期と、とてつもなく忙しい時期がある職場にいたときがありました。忙しいとそれはそれでつらいのですが、ヒマすぎるとそれはそれでつらいのです。両方あるからバランス取れているなと感じたものです。

職場環境を整える上で、人の心についてよく知っていたほうが良いと思います。職場に関するものだけではなく、人間関係に大きく影響を与えるものが存在します。それが「承認欲求」です。

2.承認欲求とは

承認欲求には自己承認欲求と他者承認欲求があり、どちらも誰にでもあり、捨てることが出来ない大事な欲求です。自己承認欲求は「自分で自分のことを認めたい」という欲求です。他者承認欲求は「他人から認められたい」という欲求です。

理想の自分と現実の自分に差があると、自己承認欲求が満たされず、それは苦しみとなり、そこから逃げるとコンプレックスという病になり、人は成長することが困難になります。逆に立ち向かうことでスキルアップなどの原動力になります。

そしていつまでも他人に認められず、罵倒され続けると、他者承認欲求が満たされず、成長意欲が失われていき、仕事に対して真面目に取り組む気持ちも、関心すらも消え失せてしまうことでしょう。

つまり、どちらの欲求も仕事においては、スキルアップや仕事に真面目に取り組む気持ちに強く影響しています。

SNSが普及している時代では、シェア文化が浸透しており、「共感」されることで他者承認欲求が大事にされる時代になったと言えます。シェア文化の浸透により、シェアリングエコノミーやNSP(顧客推奨度)などの共感を大事にする概念も普及しました。

つまり、[DXをはるか昔にやっている世界がある?!]でも触れましたが、これからの時代は心理学がビジネスに影響を与える時代になりつつあると言えます。現にマーケティングやex戦略などに心理学を組み込むところが増えています。

3.なぜ退職するのか?

なぜ人は退職の意思を持つのでしょうか?理由は様々で特定できないと思うかもしれませんね。「職場が合わなかった」「やりたいことができたから」「親族の事業を手伝うことになった」などなど理由は様々です。しかし、どれも本当のことを言っているわけではないでしょう。

なぜなら、退職をしたい人間にとって、退職を引き止められることが一番困るわけです。引き止められないようにしたいわけですから、本当の理由は言わないほうが都合が良いわけです。

では、本当の退職理由はなんでしょうか?

実は承認欲求も関係しています。「生存欲求」「関係欲求」「成長欲求」のどれか一つでも欠けると、人は離職を考えると言います。

①生存欲求・・・安心・安全に生きていたいという欲求で、給与や職場環境が影響します。
②関係欲求・・・良い人間関係を築きたいという欲求で、人から認められたいという他者承認欲求から生まれます。
③成長欲求・・・苦手なことを克服し、得意なことを伸ばし、成長したいという欲求です。いわゆるスキルアップをしたいという欲求で、自己承認欲求から生まれます。自分の可能性や才能を発揮して、自分の力を結果を出したいという、大切な欲求です。

さて、ブラック職場はどれを満たせず、ホワイト職場はどれを満たせているのでしょうか?答えは、どちらも何かが欠けているのです。ブラック職場では、最悪全てが満たされないことでしょう。しかし、ホワイト職場ではホワイト過ぎて「関係欲求」「成長欲求」が満たされないのです。

4.どうすれば職場がよくなるのだろうか

職場にいる人間とうまくコミュニケーションを取って、うまくやりたいという欲求を満たすことが大事なのです。それが関係欲求を満たすということです。

簡単なことばかりさせては、成長欲求は満たされません。もちろん、そういう仕事を心の底から望む人もいるのは事実ですが。

相手がわからないからと何も聞かないようでは他者承認欲求が満たされません。相手がわからないと思っていても、質問をしてみる。それが成長を促し、気づきを促し、関心をもたらすのです。そして能動的に行動した結果に対して、それを否定するのではなくアドバイスする形でフィードバックすることで、成長意欲を増加させ、関係欲求を満たすことができるのです。

職場をよくするならば、まずは成長欲求と関係欲求、あるいは自己承認欲求と他者承認欲求を意識してみてはいかがでしょうか。

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