1.ブランディングは何をすればよいのだろう?
いま言われているDXには様々な要素が詰め込まれて話が進んでいるように思う。
IT化推進をDXと呼んでいたり、ex戦略を含めていたり、マーケティングを含めていたり様々だ。しかし、改革がITの力を駆使して進められているのであれば、それはDXと呼んでもいいだろう。
実際、DX戦略を進める上でマーケティングは重要な要素だ。他社もやっているから始めてみようというところも多いと思う。しかし、「ブランディング」という話になると途端に分からなくなると思う。強みやアピールポイントを考えて常日頃から仕事に取り組んでいる人材は中小企業には少ないからだ。
いざブランディングをやろうとネットで調べても具体的な案が出ず、結局挫折をすることがほとんどだろう。これはブランディングの概念がわかっても、実際に動こうとすると何をすれば良いかイメージが沸かないからだと思う。
2.ブランドの解釈を変えてはどうか?
そもそも大手企業が打ち出すようなブランドは、中小企業には基本的には作ることが難しいだろう。分かりやすい特別な製品やサービスを生み出すには研究、開発が必要だからだ。
しかし、ブランドという言葉に惑わされる必要はないというのが私の結論だ。無理にブランディングに手を付けるよりも、多くの中小企業の場合は「ブランド」=「自社にとってのブランドの意味」と捉えるほうが、進めやすいし、直観的に理解しやすくなる。
例えばラグジュアリーという言葉をご存じだろうか。「豪華な」「贅沢な」という意味だ。海外のホテルで「ラグジュアリー」の演出にこだわった結果、いわゆる上流階級のみを相手にする「排他的」な雰囲気もホテルになってしまった。しかし、とあるホテルでは、「世界中のどこに泊っても、同じ良質のサービスを受けられる信頼性」をラグジュラリーだと解釈した。
3.多くの中小企業にとってのブランディングの進め方とは?
ブランドにおいても、「コミュニティこそがブランドの価値そのもの」「ブランド=信頼」「周りがブランド主張が強いからあえて主張しない」など様々な考え方がある。
無理にブランドを作るよりも、周りに流されずに自社にとってブランドとはそもそも何か、まずはこれを考えて回りに示すところから始めることこそが、多くの中小企業にとってのブランディングのやり方ではないだろうか。
なぜなら、どれだけ戦略を練っても、どれだけ強みやアピールを考えてブランドを作り出しても、顧客の心が動かなければ利益に繋がらないからだ。
いま自社にとっての顧客はだれで、それがどのような人々で、何を求めているか。それを理解した上で、ブランディングという言葉に振り回されず、顧客に説明できる「自社にとってのブランドは何か」に答えを出すことが多くの中小企業にとっての分かりやすいブランディングの進め方であろう。