建設業における労働生産性について

建設業は他の業種よりもDXが遅れている状況下において、労働生産性向上は急務であり、人材を他業種に取られる状況下にあると言えます。少子高齢化社会において、人材は有限であり、他業種と争奪戦になることは言うまでもありません。

本記事では、建設業における労働生産性の考え方を解説いたします。

1.労働生産性とは

労働生産性とは、従業員一人当たりの付加価値額を言い、付加価値額を従業員数で割って求めます。

付加価値とは、製品やサービスを展開する上で会社が新たに加えた価値のことです。付加価値の計算方式は、「日銀方式」と「中小企業庁方式」の2つあります。一般的には、付加価値と言えば「日銀方式」の計算式で求めたものを指します。

日銀方式の計算式は以下の通りで、付加価値を生み出すための活動にかかった費用を経常利益に足すことで計算します。
付加価値=経常利益+人件費+賃借料+減価償却費+金融費用+租税公課

中小企業庁方式の場合は、売上から自社活動ではない費用を引いて求めます。
付加価値=売上高-外部購入価値

実は労働生産性を考える上で、切り離せないファクター(要素)が一つあり、厚労省の資料にも記載されています。それが「労働分配率」です。

労働分配率とは、付加価値額に占める人件費の割合です。労働分配率が高いと従業員エンゲージメントは上がりますが経営リスクが上昇します。労働分配率が低いと経営リスクは下がりますが、従業員エンゲージメントは下がります。

労働分配率は適切な数字に収める必要がありますが、自社の数字だけで適切な数字を判断することが難しく、他社の会計と比較分析をした上で、適切な数字を判断することが望ましいです。

2.建設業における労働生産性とは

日銀方式の場合であれば、業種による解釈の誤差は生まれにくいため、中小企業庁方式に当てはめてご説明いたします。

中小企業庁方式は、「付加価値=売上高-外部購入価値」により付加価値を計算いたします。建設業の場合は、外部購入価値には何が当てはまるか、が重要です。
建設業の場合は、さらに細かな分類に仕事が分かれると思いますが、どの仕事にも言えることは、所謂「原価(外注費や原材料費)」が外部購入価値に当てはまります。

中小企業庁方式の場合、従業員の給与は計算に含まれておりませんので、取り扱いには注意が必要です。なぜならば、建設業で中小企業庁方式により付加価値額、あるいは労働生産性を求める場合、どうしても契約金額を上げる、またはコスト削減をする以外に付加価値額を上げる手段がなく、労働生産性を上げるには従業員を減らすしか手段がなくなるように見えてしまうからです。

実際にはICTを導入することで、原価が上がり付加価値額が減ったとしても、より多くの仕事量をこなすことで売上高があがるか、従業員一人当たりの付加価値額である労働生産性が上がります。但し、これは適切なICTを導入した場合に限ります。不適切なICTを導入して、効率があまり良くならない、ICTのランニングコストが高すぎる、ICTのイニシャルコストが高すぎて元が取れない。などにより、付加価値額や労働生産性が悪化することも考えられます。

3.労働生産性を上げるためには

また、ICTを導入する場合、業者の鵜呑みにして導入するのではなく、自社にとって適切なものなのか、実際に作業を行う従業員を交えて検討をすることが望ましいです。トライアルをする場合であっても、業務の棚卸や整理を行ってからおこなうことが重要です。ICT導入に失敗する事例で多いのが経路依存性の壁に阻まれることによるものだからです。

経路依存性とは、経済学用語で過去の経緯や歴史によって決められた仕組みや出来事にしばられる現象のことを言います。ここでは、会社設立から時間経過するほど、あるいは人が増えるほど複雑になる人の繋がりや業務の絡み合い状態のことを指します。

会社が長く続くほどよく起こることですが、担当者が独自のフォーマットでデータを管理したり、本来の部署とは違う部署が作業を行う、特別対応が当たり前に行われるなどにより、仕事が不定形であることが当たり前になります。これがまさに、経路依存性が起きている状態です。

ICTは基本的に、それを開発した会社が考えた業務フロー(仕事の流れ)、仕事のやり方に合わせて作られています。ICT導入をする場合、いままでの仕事のやり方、仕事の流れを変えて、ICTに合わせなければいけません。仕事が不定形になっていれば、合わせようとすることがそもそも困難な状態になっているわけです。合わせることそのものにも時間がかかります。

労働生産性を上げるために重要なことは、「標準化」「単純化」です。まずこれらを行わなければICT導入は困難であり、状況によっては不可能な壁になります。「標準化」「単純化」のため、まずは業務の棚卸を行い、業務フロー(仕事の流れ)を見直し、経路依存性から脱却することから始めることをお勧めいたします。

※注意
標準化・単純化すると仕事にやりがいがなくなりやすいです。そうなることに反発する従業員も生まれる可能性があります。仕事に対するやりがいは絶対に必要であることを忘れてはなりません。人は自分で考え、動いて結果を出したいものです。

スカイフィールドコーポレーションについて

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